脱毛が原因でワキガになる？それとも治る？脱毛とワキ汗の関係について

ワキガの原因

脱毛とワキガの関連性を調べる前に、まずなぜワキガが起こるのかを知りましょう。

そもそもワキガは俗称であって、正式には腋臭症（えきしょうしゅう）といいます。 これは病気ではなく体質であり生来のものです。人は汗をかくときエクリン腺とアポクリン腺という2種類の汗腺(汗を出す器官)を働かせます。エクリン腺はサラサラとした汗を分泌する汗腺で、ここから出る汗は水分をたっぷり含んでいるという特徴があります。
一方で、アポクリン腺から出る汗は水分にたんぱく質や脂質が多く含まれ、ベタベタとしています。 このたんぱく質や脂質を皮膚表面の常在菌が分解することで、特有のにおいを引き起こすと言われています。
ワキガに悩む人は、このアポクリン腺が発達しすぎている傾向があります。 遺伝的な要因でアポクリン腺が多くなるように成長してしまう、という人も少なくありません。 また、後天的にワキガになってしまうという人もいます。 普段からお肉をよく食べている人は、脂質が身体に溜まりやすく多量に体外に排出されることからワキガを引き起こしやすいとも言われています。

医療脱毛の仕組み

医療脱毛はこうした汗腺には働きかけず、毛根に働きかけていきます。 医療脱毛においては、毛根に含まれるメラニン色素に反応するレーザーを利用しています。
レーザーを受けた毛根が熱によってダメージを受け、毛の組織を破壊することによって脱毛していく仕組みです。

したがって、脱毛を原因にワキガになったり、ワキガが促進されたりすることは基本的にないと言えるでしょう。

ワキの衛生面が改善されたから

1つ目は脱毛したことでワキが衛生的になった、ということが挙げられるでしょう。
1日のうちのほとんどの時間、ワキはしまっている状態にあるためムレやすい部分です。これに加えて、ワキ毛が密集して生えていると汗がとどまり湿気が溜まりやすくなってしまいます。

同じ場所に長く湿気が溜まると、もともとワキに棲みついていた常在菌が繁殖しやすくなるのです。
これによってもともとアポクリン腺が発達していた人が、余計ワキガを悪化してしまうという例があります。
しかしながら、脱毛をすることによってワキ毛がなくなると、湿気のもととなる密閉感は和らぐのです。通気性が良くなり、ワキが汗で蒸れるのを防げるので、ワキの衛生を保つことができます。

ワキ毛の処理の必要がなくなるから

2つ目に考えられる理由は、カミソリなどでワキ毛を処理する必要がなくなることです。カミソリなどでワキを剃っていると、時に肌にダメージを与えてしまうことがあります。

これによって傷口に菌が入り込んだり、アポクリン腺が刺激されたりすると悪臭のもとになってしまうことがあり得るのです。脱毛で肌ダメージの生じるリスクが少なくなったことで、ワキガが改善されたということは十分に考えられます。

ここまでさまざまな観点からワキガが治る要因を考察してきました。しかし、あくまでも先ほど取り上げたようなワキガが治ったという人は一例にすぎません。脱毛すると必ずワキガが治るという期待は抱かず、ワキガが軽減できたらラッキーくらいとして考えたほうがよいでしょう。ワキガを根本的に治すためには、ワキガ治療の受診を検討してみましょう。

汗が増えたように感じるから

脱毛後、汗の量が増えたと錯覚し、自分のワキ汗の臭いが気になってしまうことがあります。脱毛を受けるとムダ毛は徐々に少なくなっていきます。
汗をかいた際、ワキ汗がワキ毛に留まることなく、直接肌に触れてしまうので脱毛でワキ汗が増えたのでは？と感じることがあります。
しかし、脱毛でムダ毛が減ると汗が増加するということは基本的にありません。
ただ、汗や体臭を気にすぎてストレスとなり、結果的に汗の量が増えることもあります。汗でワキが蒸れると雑菌が繁殖し、臭いが発生しやすくなります。汗の増加は脱毛ではなく、心理的な要因が大きいです。脱毛後は汗や体臭を過度に気にせず、普段通りの生活を送りましょう。

ワキ汗が衣類に付いて雑菌が繁殖したから

服に染み付いたワキ汗から臭いが発生することもあります。 先述の通り、脱毛後はムダ毛が少なくなり、汗が直接肌に触れやすくなります。そのため、流れた汗が衣類に付着し、そのまま染み付いてしまうのです。
衣類に染み付いた汗は蒸発しにくく、雑菌が繫殖する絶好の環境なので、放置すると臭いが生じてしまいます。
ポリエステルなど化学繊維の衣服は通気性が悪く、汗がこもりやすいので注意しましょう。綿や麻など通気性の良い、自然由来の繊維の服を選ぶのがおすすめです。特に綿は汗を吸い取る性質に優れているため、雑菌の繁殖を防いで汗の臭いを軽減できると言われています。衣類にワキ汗が付くのを防ぎたい方はキャミソールなどインナーからでも綿素材に変えるとワキの清潔を保てるでしょう。

生活習慣が乱れた時期と重なったから

ワキ汗と生活習慣は一見関係ないように思えますが、実は深く結びついています。脂っこい食生活や運動・睡眠不足、ストレスなどで生活習慣が乱れている時期はベタッとして蒸発しにくい汗が出やすいです。
ミネラル分や老廃物などを多く含んでいるこの汗は細菌が繁殖して、より臭いが発生しやすくなります。生活習慣が乱れている時期に脱毛を受けると、脱毛の影響で汗が臭っているのではと感じてしまうことがあります。脱毛後に汗の臭いが気になったら、まずは脱毛前の生活を見直してみましょう。
そして、食生活、生活リズムを整えストレスのない生活を送ることが大切です。

毛穴の汚れを落とす

1つ目は毛穴の汚れを落とすことです。 脱毛後の肌は毛穴がむき出しになっているので、毛穴が汚れるとすぐさま悪臭を引き起こすもとになりかねません。
よってまずは、ワキに蒸しタオルを当てましょう。 顔に蒸しタオルを当てて毛穴を開く美容法は有名ですが、この方法はワキにも有効です。
続いて石鹸やボディソープを泡立ててワキにやさしく塗り込んでいきましょう。身体を洗う際にタオルを使ってゴシゴシとボディソープを塗り込む人がいますが、身体を洗う方法としては好ましくありません。
強い摩擦は肌を傷つけてしまい、かえってにおいのもとになってしまうのです。
ちなみに、石鹸やボディソープのほかにもメイク落としのクレンジング剤を使うのもよいでしょう。 クレンジング剤には皮脂を落とす成分が含まれていますので、ワキのにおいの原因となる皮脂も合わせて落としてくれます。

食生活を改善する

2つ目の対策は食生活を改善することです。以下の成分が含まれた食べ物は臭いの原因となりうるので、注意しましょう。

▪︎肉類や乳製品などの動物性たんぱく質

▪︎スナック菓子や揚げ物などの脂質の多い食材

▪︎ニンニク、香辛料

▪︎アルコール

動物性たんぱく質や資質の多い食べ物を摂取しすぎると、アポクリン汗腺から老廃物や臭いの素となる、たんぱく質や脂質を含む汗が分泌されます。
また、辛い食べ物やにんにくなど刺激的な食べ物はアポクリン汗腺を刺激し、臭いの原因となる発汗を促すため、食べすぎには注意が必要です。
汗の臭いに効果的な食品として、緑茶やほうじ茶などポリフェノールを含む食品の摂取が推奨されています。また、梅干しや海藻など体をアルカリ性に傾ける食品も有効だと言われています。